「木育」って?

木や森を通して持続可能な社会づくりを

SDGs、森林環境税、木促法、脱プラ

木育とは、木を暮らしの中に取り入れることができる人間を育むための活動です。

木育が目指すのは、木や森、木材を含む自然環境と人とのより良い関係、より良い社会と文化であり、それを支えるすこやかな心身と自発性、自律性を持った人を育てていくことです。 

さらに一歩進めて、木に「ふれる」「知る」「つかう」という3つのフェーズで木育を実現していこうという考え方があります。

「ふれる」とは、木や森のファンづくり

木や森との関わりが薄れた現在、まずは触れるという体感を通じて興味をもち、魅力に気づき、ファンになる。そのような支持層を拡大することです。

「知る」とは、ファンを理解者に育てること

人、社会、環境保全と木材利用の関係を理解するなど、ファンを森林や木材についてのリテラシーをもった人に進化させることです。 

「つかう」とは、理解者をさらに積極的で主体的な消費者、行動者に育てること

国産の木材を選択する、積極的に取り入れた暮らしをするなど、環境志向の消費者、また森林保全などに自ら関わる行動者を育てることです。 

これら3つのフェーズで木育を推し進めていくことによって、持続可能な社会を支える人が育ち、その人々は豊かで持続性の高い地域、森林、環境の実現に寄与することでしょう。また、それによって、木材、森林を活用した低炭素、循環型の社会と、それを持続させる文化の形成と継承が可能となると、私たちは考えています。

木育ワークショップでの出会い

「木育は、やりとげる力を育む」

私たちは、子どもたちから大人まで多岐にわたる世代の方に木に触れていただく体験を提供してきました。

保育園に細い丸太を持ち込んで、子どもたちにのこぎりで木を切ってもらう体験はいつも人気です。順番を待つ間に自然と、切っている子たちへの応援が始まります。一人一人、ちゃんとやり遂げます。見守る先生の中には「○○ちゃんは集中力がなくて、いつもは一つのことをやりきることができないのに…」と驚かれたりすることも。

木のスプーンを磨いて作る時にも、個性が出ます。さっと仕上げて満足する子、つるつるのすべすべになるまで時間いっぱいかけて磨く子、これは子どもも大人もいろいろなタイプの方がいます。

木は他の素材に比べて加工が容易です。とはいっても簡単らくちん!ではないのです。手をかけようと思えばいくらでもかけられる。そしてその人なりの素敵な作品が仕上がる。「できる」という人の育ちに重要な影響を与える成功体験を、木育はもたらしてくれます。

木育キットの有効性

木について知るための工夫

木育DIYキットは、ふつうの木工キットとは少し違います。組み立てて完成させることも大切ですが、作業の一つ一つを通して木のことを知り、暮らしの中に役立てていくための工夫が込められています。工具の使い方のちょっとしたコツ、特性に合わせた板の向き、すべすべになる仕上げ方について…。より木に親しんで、木のことを好きになってもらおうと考えられています。そしてよいものを作り上げることで、作り手の成功体験を積むキットでもあります。